葉酸のススメ
![]() 妊活中の女性や妊娠・授乳中の女性に必要な栄養として厚生労働省の推奨もあり、「葉酸」をよく耳にするようになりましたが、葉酸とは一体なんなのでしょうか。 なぜ、妊活中の女性や妊娠・授乳中の女性に必要なのでしょうか。 妊活中の女性や妊娠・授乳中の女性以外は? 葉酸は、どんな人に必要で、一体どんな働きをして、どの位の摂取が必要なのでしょうか。 「どうして、毎日の摂取やサプリでの摂取が推奨」されているのか。 食事からの摂取方法はないのでしょうか。 これから生まれてくる我が子の未来の為に、日々の生活に葉酸を取り入れましょう。 ![]() [目次] ・葉酸とは ・葉酸の働き ・サプリの摂取が推奨される理由 ![]() ![]() ある妊娠初期の妊婦さんの質問 「葉酸がいいと聞きましたが、皆さん飲んでいましたか?」 ■ Aさん 「食事には気をつけてたので、サプリは飲みませんでした」 ■ Bさん 「私は、つわりがきつく、食べられない日があったので、サプリを飲むようにしてましたね」 ■ Cさん 「サプリは買ってあったけど、気が向いたときに飲む程度で毎日は飲んでなかったかな」 ■ Dさん 「私は、母子手帳と共に病院でプレゼントされたのをきっかけに飲み始めましたね」 ■ Eさん 「あれ?葉酸の摂取は推奨されているから、母子手帳に書いてありませんでしたっけ?」 など、返答は様々です。 葉酸が良いと知っていても、対応は、人それぞれのようでした。 |
葉酸とは
![]() 葉酸は、ホウレンソウの葉から発見された、水溶性のビタミンB群の一種です。 葉酸には、2種類あります。1つは、食品の中に含まれている葉酸でポリグルタミン酸型と呼ばれるものです。 もう1つは、合成葉酸またはモノグルタミン酸型と呼ばれるもので、一般的にサプリメントや栄養補助食品などで使用される葉酸です。 食品の中に含まれる葉酸(ポリグルタミン酸型)は、水溶性のため、安定せず、吸収率が50%とされているのに対し、 モノグルタミン酸型の葉酸は、天然素材から抽出した葉酸を科学的に合成し、安定化させたもののことを言います。 葉酸は細胞増殖に必要なDNA合成に関与しています。代謝に関わりが深く、タンパク質や核酸※1の合成に働いて細胞の生産や再生を助け、体の発育を促してくれます。 妊娠初期や胎児の細胞増殖が盛んである妊娠期、授乳期のお母さんにとって、葉酸は必要不可欠な栄養素とされています。 日本では、2000年に厚生労働省から、妊娠の可能性がある女性は通常の食事からの葉酸摂取に加え、いわゆる栄養補助食品から葉酸を摂取するよう通知が出され、
2002年からは母子手帳にも葉酸に関する記述が記載されています。 厚生労働省が推奨している妊娠中に食品から摂取する天然葉酸の量は、18歳以上の女性で1日480μg。加えてサプリメントから1日400μgの合成葉酸の摂取が望ましいとしています。 受胎前後における充分な葉酸の摂取により、胎児の神経管閉鎖障害※2の発症リスクが大幅に減少※3することがわかっています。※1 核酸とは、DNAやRNAのことで、細胞の核の中にあって遺伝情報を保存し、遺伝情報の通りに身体をつくっていく生命の根幹です。 ※2 神経管閉鎖障害とは、脊椎の神経管の癒合不全による先天異常です。日本では神経管閉鎖障害のうち脊椎に癒合不全が生じる二分脊椎が大部分を占めます。 ※3 妊娠初期は胎児の細胞増殖が盛んであるため、この時期に葉酸摂取が不足すると胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高まると示唆されています。 |
葉酸の働き
![]() 小腸から吸収され、細胞内で、補酵素として機能します。 ビタミンB12とともに赤血球の生産を助けるビタミンとして働きます。 代謝に関与し、DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促進し、細胞の生産や再生を助けます。 細胞の分裂や成熟に影響を及ぼし、胎児にとっては、特に重要な栄養成分です。 妊婦が葉酸を十分に摂取することで、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害※1のリスクを減らすことができます。 最近の研究で、葉酸は細胞の中で、ホモシステイン※2と呼ばれるアミノ酸を、メチオニン※3と呼ばれるアミノ酸に変換する反応を助ける働きもあることが明らかになりました。これらの研究の結果により、ビタミンB12や葉酸の摂取が、虚血性心疾患の予防に効果があるのではないかと期待されています。 ※1 神経管閉鎖障害とは、脊椎の神経管の癒合不全による先天異常です。 ※2 ホモシステインは、動脈硬化性疾患の危険因子として注目されている物質です。 ※3 血液中のコレステロール値を下げることで知られている物質です。 |
サプリの摂取が推奨される理由
![]() 葉酸には、食事から摂取できる天然葉酸とサプリメントから摂取できる合成葉酸の二種類があります。 毎日の食事からも摂取することができるなら、食事から摂取した方が体に良いように感じます。 しかし、厚生労働省が摂取を推奨しているのは、合成葉酸です。 厚生労働省は、天然葉酸が体内で使われる率を50%とし、水溶性ビタミンであるため、水に溶けやすく、加熱に弱く、胃酸によって分解されるとしています。つまり、食品に含まれている葉酸は、約半分しか体内に吸収されないということです。 一方、サプリメントなどに使用される合成葉酸は、通常の食品中の葉酸とは構造が異なり、
安定性及び生体利用率が高いことがわかっています。 また、葉酸と神経管閉鎖障害※1のリスク低減の関連を研究した結果は、サプリメントにより摂取した合成葉酸だとされています。※1 神経管閉鎖障害とは、脊椎の神経管の癒合不全による先天異常です。 |




葉酸は、ホウレンソウの葉から発見された、
厚生労働省は、