葉酸の摂り過ぎは?
![]() どんな栄養素でも、過剰摂取をすると副作用が心配ですが、葉酸はどうなのでしょうか。 妊娠前や妊娠中、出産後の授乳時期に葉酸の摂取は推奨されています。 デリケートな時期なので、過剰摂取になってしまわないか、取りすぎた場合どうなってしまうのか、不安に思う女性も多いと思います。 葉酸の特質をよく理解したうえで摂取することが、不安を無くし、安全・安心に繋がります。 葉酸の摂取方法には、食物から摂取する天然葉酸とサプリメントで摂取する合成葉酸の2種類があります。 そして、2種類の葉酸の違いを知っておくことが大切です。 ![]() [目次] ・天然葉酸(ポリグルタミン酸型) ・合成葉酸(モノグルタミン酸型) ・過剰摂取と副作用 ・摂り過ぎのまとめ |
天然葉酸とは
![]() 天然葉酸(ポリグルタミン酸型)とは、食物に含まれる葉酸のことです。 天然葉酸による過剰症は確認されていません。天然葉酸は、水溶性ビタミンなので、過剰分は尿の中に排出されます。 厚生労働省は、天然葉酸が体内で使われる率を50%とし、水溶性ビタミンであるため、水に溶けやすく、加熱に弱く、胃酸によって分解されるとしています。 つまり、食品に含まれている葉酸は、約半分しか体内に吸収されないということです。 しかし、妊娠前後に食物から、葉酸を多く摂取しようとすると、注意が必要です。食物には、他にも栄養素が含まれているので、他の栄養素が過剰摂取となる場合があります。 例えば、レバーなどは、葉酸が多く含まれていることで知られています。 しかし、レバーには、妊娠中に過剰に摂取しないほうがいいと言われるビタミンAが多く含まれています。 ビタミンAは、脂溶性ビタミンで、体内に蓄積されやすく、過剰摂取を続けることにより、胎児の奇形リスクを高める場合もあります。 食物から、葉酸を多く摂取しようとすると、葉酸以外にも食物に含まれる栄養素を摂取することになり、調理の際の塩分などにも気を配る必要があります。 |
合成葉酸とは
![]() 合成葉酸(モノグルタミン酸型)とは、サプリメントや栄養補助食品に使用される葉酸のことです。天然葉酸とは、構造が違い、安定性及び生体利用率が高いことがわかっています。 つまり、天然葉酸に比べ、吸収率が良いと言うことです。神経管閉鎖障害のリスク低減との関連を示した研究結果は、合成葉酸のサプリメントによるものがほとんどだとされ、確実に葉酸を摂取したほうがいい妊娠前後に葉酸サプリが推奨されているのはこの為です。 合成葉酸については、過剰摂取による健康障害が報告されてます。サプリメントや栄養補助食品の多用は容易に耐用上限量※1を超えることになりますので注意が必要となります。 ※1 耐容上限量とは、この値を超えて摂取した場合、過剰摂取による健康障害が発生するリスクがゼロではなくなることを示す値です。 |
過剰摂取と副作用
![]() では、合成葉酸(サプリなど)をとりすぎた場合、どうなるのでしょうか。 葉酸を過剰摂取した場合の症状は?ごく軽い症状としては、食欲不振、かゆみ、不眠症などが挙げられます。 葉酸過敏症と呼ばれる症状発熱や皮膚炎、じんましん他、吐き気、呼吸障害、神経障害などが起きてしまう恐れもあります。 合成葉酸の過剰摂取は、ビタミンB12欠乏症を診断しにくくするとされています。葉酸の取りすぎによって亜鉛の吸収率が下がったり、ビタミンB12の欠乏が原因である巨赤芽球性貧血の症状が出にくくなることで、病気の診断が遅れる恐れも出てきます。 |
摂り過ぎのまとめ
葉酸をサプリで補おうとする場合、 1粒で1日分を補えるほど十分な量の葉酸が配合されているものもあるので、 パッケージやボトルで1粒あたりの葉酸の含有量をしっかり確認し、 1日の上限超えてしまわないように注意が必要です! |
マープロ企画 山下




天然葉酸(ポリグルタミン酸型)とは、